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048 見えるもの

eriさんは、1時間ほどのセッションをとおして
受けとったわたしのビジョンを、アフタートーク
わたしに伝えてくれました。

わたしは正直、これがとても不安でした。
溜まりに溜まったわたしのなかの“毒気”に
eriさんがあてられやしないかとヒヤヒヤし
恐ろしくなってさえいたのです。

しかし、eriさんが語ってくれたビジョンは
思いもよらないものでした。

綺麗なものが、たくさんコレクションされている。
毒とかありませんでしたよ(笑)と。


そしてもうひとつ。
いろんな大きさの、積み木のようなものがあって、
たたくとそれぞれ、音がする。
その音の響きを、木を磨きながら動かしながら、
あれこれ叩いてみながら、
ああでもないこうでもない、とやっている。

のだそうです。
なんじゃそりゃ。


そのあと、淹れてもらったお茶を飲みつつ
eriさんに自分のことを話していたとき、
その積み木?木琴?の話が何のことなのかを
わたしは唐突に、そして完全に、理解しました。

それは、『文章を書く』ことでした。

ありふれた言葉をなんどもなんども並べかえて
全体の響き(のようなもの)を感じとっていく。
それがわたしのやり方なのです。
eriさんの語ったビジョンそのものでした。


仕事でたくさんの短い文章を書いてきました。
若い頃、宣伝・PRの担当をしていたのです。

素晴らしい表現者に出会ったとき。
伝われ、と胸が痛むほどに願ったとき。
自分のスキルのなさ以上に、
上手いこと書いてやろうという下心が
たまらなく、恥ずかしく思えました。

受けとったものを、この目で見たものを、
そのまんま伝えたい。
もう、それ以外はいらない。

自分以外の誰かのために、
自分にサポートがもたらされることを
そのときはじめて、祈りました。

そしてやっと、言葉と出会えたとき、
ああ、これはわたしが書いたんでなくて
あのひとがわたしに書かせたものなんだ、と
こころから感じたのでした。


自分の人生に、そんな瞬間があったことを
長い間、忘れていました。
懐かしい人に会えたような、
あたたかく心強い気持ちに包まれました。

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047 セラピー

ちょうどこのころ、ある女性のセラピストに
ネットをつうじて出会いました。

わりと検索上手?なわたしなんです(笑)

過去に野口整体やさとう式リンパケアを学び
いまはそれをまるっとのみこんだような
オリジナルな施術をされるeriさん。

セラピールームは、ギャラリーの2階。
中崎町の片隅、とても趣きのある場所です。
職場から歩いていける距離だったのも
今となればご縁だったなあと思うのです。

その日は、夕方から雨が降りました。

静かに、毅然と、降りつづく雨。


部屋に迎えいれてくれたeriさんの空気感。
多くのセラピストさんが持っている
「オープンマインド」とは決定的に違う
独特の感性が、そこにはありました。

光が射し、そこにたちあらわれる陰。
柔らかな笑顔の傍らにときおり見え隠れする
はじらいともつかぬ、ささやかな葛藤。

おもてなしの心、の、二歩くらい手前。
スイッチをいれてしまわない。
気分のモードを、きりかえない。


ギャラリーの屋根に降りたつ足音と
eriさんから零れだした名もなき唄に護られた
きわめて繊細で、特別な空間。

言葉にしてしまうのが勿体無いほどの
美しい体験でした。


(でもまだ書く・笑)

 

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046 結び目

帰り道、駅までの道をゆったりと歩いていました。

(行きは焦りまくりで周りを見る余裕がなかった)

駅に近づいてきたころです。
おしゃれな感じの中華料理店が、ふと目に入りました。

すぐに帰らず、ここで今から食事をしよう。
そうすれば、この町と、自分との“縁”をつなぐ
小さな“結び目”をつくれるような気がする。

お店のかたと言葉を交わしながら
なんとも品のよい五目焼きそばを食べました。
美しく切り揃えられた野菜が想像を超えて美味しく、
それは、料理の腕もさることながら
素材への熱いこだわりを感じさせるに十分なものでした。

帰りの新幹線では、大家さんから手渡された
1枚の紙をあらためて眺めました。
そこには、16もの設問(!)が並んでいました。

あー、、、よみがえる遠い日のシューカツ。
(当時はシューカツなどと略さなかったがね、、、)

ぼんやりとイメージをひろげ
帰宅後、夜遅くまでかけて一気に書き上げました。

大切なのは熱意と、スピード。
早さもひとつのメッセージだと思ったのです。

とはいえ深夜の手紙は、要注意案件。
その2日後に、大家さんにメールを送りました。

大家さんからは、希望者の内覧が続くので
結果が出るまでしばらくお待ちください、と
返信をもらいました。

このエントリーシートを書くことをとおして
わたしは自分の思いを言葉にすることになりました。
そのことばのひとつひとつが小さな結び目となり
わたしとこの家を、きっと結びつけてくれる。
こころから、そう願いました。

 

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045 鍵のない部屋

シェアハウスの部屋に、カギがない?!
シェアハウスは盗難が多いと聞いたことがあるぞ。
っていうかそもそも、シェアハウスで大丈夫なの?
協調性そんなないやん?掃除苦手やん?
そこそこ隠せてるけどほんまは人見知りやん?
あこがれてるのはわかるけど、これ無理ちゃうの?

俄然、疑念と不安が胸の内をしめたその時。
部屋の空気?に気がつきました。
独特の、場の空気感。

瞬間、わたしのその疑いのこころは
シュワシュワシュワ、、、と溶けはじめました。
紅茶に落とした角砂糖みたいに、無抵抗に。

ああ、ここはシェアハウスなんだろうけど
たぶん、よそとはなんか違うんだ。
よくもわるくも普通じゃないんだ。
でもここでは、これが、自然なことなんだ。

なんの根拠もないのに、説得力にみちた、
ふしぎな空気感。
こういうときは、理屈じゃない。

わたしはここに住む!と心に決めました。

内覧後のアンケートを書いている時、
大家さんが言いました。

「住んでみたいと思った?」

もちろんです!と答えたら、間髪いれずに

「じゃあ、応募書類を出してもらうことになるから」

…え?

「希望者が何人かいるのね。志望理由とかを書いてもらって、選考するのよ」


まじか。。。競争社会や。。。。

 

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044 波乱の内覧

山手線・高田馬場駅で電車が止まってしまい

焦りに焦ってタクシーと電車を乗り継ぎ

駅からの道をいそぎました。

 

やがて目の前に見えて来たのは

緑美しい一軒家のシェアハウス。

 

わたしの母くらいの年齢の大家さんと、

退去予定のそのお部屋の住人のかたが

出迎えてくれました。

 

突然のトラブルに平身低頭のわたしでしたが、

大家さんはあっけらかんとした様子で

ああ、東京のひとのこういうさっぱり感、

割と好きだわ、なんて思いました。

 

スリッパに履き替え、中にはいると

なにか、とてもいい空気が流れているような

感じがしました。

気分がすっとする。深呼吸したくなる。

 

それもそのはず、この家は天然木や珪藻土といった

自然素材にこだわって贅沢に作られたお家でした。

間取りもユニーク。家の中央は吹き抜け仕様で

大きなガラス窓から陽の光が射しています。

 

わたしが入居を希望する部屋は

元々書斎として作られた部屋を改装したので

天然木の作り付けのすてきなデスクがあり

収納の大半は“本棚”。

家具を置ける床の空きスペースは、ゼロです。

ストーブを置いたら、終了、っていうくらい。

 

ベッドは、なんとか納めたセミシングルの

小さなベッド。仮眠用みたいな感じです。

 

ただひとこと浮かんだワードは

 

『断捨離』でした。

 

住人の彼は、よくやってこれたなぁ。

これはちょっと、覚悟しないとなぁ。

 

そして、シェアハウスという場所を見ることすら

初めてだったわたしにとって、衝撃の事実が

大家さんの口から明かされました。

 

「うちはね、個々の部屋にカギがないのよ」

 

…なんですと?

 

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043 鎌倉again

3月の蓮村先生講座を表参道で終え、向かったのは

先月泊まった鎌倉のペンション。

3月末の東京都内のホテル事情を知らずに

のんびりしていたら、すごい値段になっていたのです。

なら、こないだの鎌倉で!となりました。

 

翌朝、朝ごはんを食べながらペンションのかたと

色々お話していました。 

ペンションはふたりの男性によって運営されていて

オーナーさんは地元鎌倉の昔からの仲間なのだそう。

別のかたが経営していた物件を

リニューアルして最近始めたばかり、

わたしは初のリピーターだったようです。

 

「これから内覧にいってくるんです」

「ほかにも応募者がいるみたいだから入れるかは

わからないんだけど。。。」

 

スタッフのユーキさんが

「んー、たぶんね、大丈夫な感じしますよ」

「話きいてて、なんとなくだけど」

 

ユーキさんも長年勤められたお仕事を早期退職して

新しい生活を始めたばかりのようでした。

先輩の励ましはとても嬉しかったです。

 

そしてペンションを出て内覧に向かいましたが

東京名物、山手線遅延の洗礼をうけてしまい

目的地にたどり着けない!

大家さんにメール、電話をしながら

焦りに焦ってタクシーと電車をのりつぎ、

30分ほど遅れてやっと到着したのでした。

 

あぁーやってもうたーー!

 

 

 

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042 うれしい偶然

とあるブログで見て、ただ憧れるだけだった

自然いっぱいの一軒家のシェアハウス。

まさかの「6月 空室予定」には目を疑いました。

もちろん、空くのは一室だけ。

しかも、そのシェアハウスのなかで、

その部屋だけ、家賃が格安だったのです。

ピンポイントすぎる。

 

申し込みしてからはたと気づきます。

「で、これはどこなんだっけ?」

東京メトロ。。。副都心線。。。

渋谷まで乗り換え要らずだ!

 
あー、これはもう運命感じちゃおうかなー。

 

シェアハウスから駅までは、徒歩13分。

うちの家は駅まで25分かかるからな。

たったの半分やん!ええで、どんとこいやで。

 

ほどなく大家さんからメールが届き、日程を調整。

内覧の予定を前倒ししていただき

ちょうど一週間後に控えていた東京詣でにあわせて

そのシェアハウスに伺うことになりました。

 

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