006 よい選択、よりよい選択

長崎・SOARAへの充実した旅を終えたわたしは、
アーユルヴェーダへの関心を俄然深めるとともに、
『良い体験を自分に与えることができた』ことに
手ごたえを感じて、アーユルヴェーダの生活法
「ディナチャリヤ」を学び、実践しはじめます。

とはいえ、心身は相変わらずの低空飛行。
ヤカンで10分ほど沸かすアーユルヴェーダ式の
白湯をこしらえる気力さえありません。
ウォーターサーバの赤い栓をひねった温水が
わたしにとっての白湯でした。

じつはこれこそが、長崎での学びだったのです。

アーユルヴェーダでは、『完全な健康』から、
東洋医学で『未病』と呼ばれる状態をへて
『病気』となるまでを7つの段階で表現します。
その7段階はグラデーションのようになっています。

つまり、ひとはいきなり病むわけではないのです。

いっぽう、わたしは何かと白黒はっきりさせたい
タイプの人間でした。その2つのトーンの間、
グレーのグラデーションにあたるものごとは、
とても苦手だったのです。

これからは、病から健康へ、7層のグラデーションを
灯台のひかりに向かってじわりじわりと進みたい。
ならば、完璧な手順にのっとった白湯でなくても、
飲まないよりはずっといい。
いくつか選択肢があるなら、ベストなものがなくても
そのなかでより良いと思ったものを選べばいい。

そんな選択ができるようになったことで
生活に小さな変化が生まれはじめていました。