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031 働くことは

ある晩秋の日。

お昼休みになり、何を食べようか考えていました。

いえ、正しくは『どこで食べようか』考えていました。

 

月曜日から金曜日のお昼ごはん。

わたしには毎週行く店が三軒ありました。

 

なかでも好きだったお店。

ひとつは、素敵な女性がひとりで切り盛りする、

スープランチをメインとしたカフェ。

もうひとつは、元パティシエの男性が腕をふるうカフェ。

この二つの店は、わたしにとって特別な

パワースポットのような存在でした。


あの人たちの何が、わたしを惹きつけるのだろう。

歩きながらなんとなく思いをめぐらせたとき、

ある言葉がこころにポンと浮かびました。

 

「働くことは、祈ること」

 

突然、涙がどっと溢れました。

 

彼女の、彼の、『ごはんや』としての

なんてことない日々のふるまいが

わたしにはまるで、祈りのように見えていたこと。

 

そして、その『日常のなかにある祈り』に

わたしが強くあこがれている、ということを

涙は伝えていたのだと思います。

 

 

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