048 見えるもの

eriさんは、1時間ほどのセッションをとおして
受けとったわたしのビジョンを、アフタートーク
わたしに伝えてくれました。

わたしは正直、これがとても不安でした。
溜まりに溜まったわたしのなかの“毒気”に
eriさんがあてられやしないかとヒヤヒヤし
恐ろしくなってさえいたのです。

しかし、eriさんが語ってくれたビジョンは
思いもよらないものでした。

綺麗なものが、たくさんコレクションされている。
毒とかありませんでしたよ(笑)と。


そしてもうひとつ。
いろんな大きさの、積み木のようなものがあって、
たたくとそれぞれ、音がする。
その音の響きを、木を磨きながら動かしながら、
あれこれ叩いてみながら、
ああでもないこうでもない、とやっている。

のだそうです。
なんじゃそりゃ。


そのあと、淹れてもらったお茶を飲みつつ
eriさんに自分のことを話していたとき、
その積み木?木琴?の話が何のことなのかを
わたしは唐突に、そして完全に、理解しました。

それは、『文章を書く』ことでした。

ありふれた言葉をなんどもなんども並べかえて
全体の響き(のようなもの)を感じとっていく。
それがわたしのやり方なのです。
eriさんの語ったビジョンそのものでした。


仕事でたくさんの短い文章を書いてきました。
若い頃、宣伝・PRの担当をしていたのです。

素晴らしい表現者に出会ったとき。
伝われ、と胸が痛むほどに願ったとき。
自分のスキルのなさ以上に、
上手いこと書いてやろうという下心が
たまらなく、恥ずかしく思えました。

受けとったものを、この目で見たものを、
そのまんま伝えたい。
もう、それ以外はいらない。

自分以外の誰かのために、
自分にサポートがもたらされることを
そのときはじめて、祈りました。

そしてやっと、言葉と出会えたとき、
ああ、これはわたしが書いたんでなくて
あのひとがわたしに書かせたものなんだ、と
こころから感じたのでした。


自分の人生に、そんな瞬間があったことを
長い間、忘れていました。
懐かしい人に会えたような、
あたたかく心強い気持ちに包まれました。

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